瀬戸の花嫁 #26(終)

シンプルな筋立て、盛り上がる展開とクライマックス、コメディ抜きのちょっとしたラブシーン、そしてユルいエピローグ、と、ここまでの2クールの集大成、観終わってもう満足、何の文句も付けようがない、といった感じの凄い最終回だった。 一本の娯楽映画を観たあとのような。
囚われのヒロインを助けにいくヒーローの姿は素晴らしくカッコよかったし、クライマックスの盛り上がりがあるから、直球のラブシーンやっても説得力があってちゃんと良いシーンになってたし。
脚本: 上江洲誠 絵コンテ・演出: 岸誠二 絵コンテ清書: 森田和明,柳瀬雄之 作画監督松本剛彦,森田和明


全体として。
画面のテンション、声優のテンションがまず大きく。 「マジカノ」でもたまにあったけど、声優さんのテンションとか面白さをグイグイ引っ張り出して、時に喰い気味なセリフの掛け合いでもってテンポを作っていく。 この辺、キャスティング、声優さんのチョイスの仕方の勝利なのか、アフレコ演出の凄さなのか。 キャストみんな良かったけど、三宅健太のテンションにどんどん引っぱられていく桑谷夏子が面白かった。
あと、SEを細かく入れていったり、BMGも流れにあわせて細かくオンオフしたり、と、画面とか声優のテンションは高いんだけど、作りは画も含めてとても丁寧に、神経を使って作ってた印象で、土台がしっかりしてるから、いざはっちゃけても上滑りする事がなかったなと。
娯楽作品として素晴らしいシリーズだった。 楽しかった。


その他。 印象に残る回とかシーンとかは色々あるんだけども、特に21話終盤の「しゅーしゅーぽっぽ…」からラストアマゾネス登場そして退場までの流れが見事すぎて何度も観てしまう。 BGMのアテ方も完璧だし、最後踊ってるラストアマゾネスのうしろで太鼓がポンポコ鳴ってるんだけど、「楽しみにしていなさい」でポーズ取ったトコで「…ポポンッ」と太鼓もピシッと締めるのが細かくて良かった。
あと15話の、永澄が委員長の眼鏡を踏んで壊したあとのシーン。 ギャグっぽい画になって委員長がやっさん風に

「めが↑ね めが↑ね」(関西弁のイントネーション)

と、ここまではよくあるネタなんだけど、そのあと、元の画面に戻って永澄が真面目なテンションで

「ごめんなさい!」

とやって、空気戻したと思いきや即座に

「ぶつかった上に めが↑ね 壊しちゃうなんて」

と、シーンの空気自体は真面目な感じに戻ってるのに、「めがね」のイントネーションだけそのまま持って来ちゃうのが、えらい面白かった。(で、そのあとの委員長の「いいんです、眼鏡ならスペアがうちにありますから」の「眼鏡」は普通)
水島大宙は、テンション高いだけじゃなく、こういうちょっとしたハズし方がとても良かった。 5話ラストの予告とか。 予告のナレーション、ずっと面白かったし。 この作品、中の人のアドリブっぽい所が多々見られて、それに対して結構OKを出しちゃってる感じで、それが面白さとか、中の人のテンションを引き出すことに繋がってたのかなと。