シムーン #21

『田園』の出だしを前奏に使い、流れるようにシレッと歌が始まって、「お前が歌うんかいっ」とツッコミつつ、かなりズッコケた。
で、リモネの、

えっと…、美味しい…とは思わない。
苦い…ような気がする。 ほんの少し甘い味もする。
でも嫌いな味じゃない。 たぶん、残さないで食べられる。

が良かった。 感じたままを、そのまま表現できない、頭で全部考えてしまうリモネらしくて、でもちょっと成長してて。 てかそれはたぶん、美味しい、って事だよと。
あとリモネの髪が少し伸びてたり。


情報が結構出てきた割に、分かったような、あまり分からんような。 ヒントの出し方が絶妙なのか、単に脇が甘いというかヌルいだけなのか、取り方が色々出来たり、パーツが足りなかったり、と、これはこういう事、みたいにハッキリと解釈できるトコがイマイチ少ない。
終盤のドミヌーラと宮守のセリフ。

ドミヌーラ

流れ込んできたの。
ヘリカル・モートリスに向き合った時、まるで見たかのように、誰かの、何かの記憶が。


私たちはリ・マージョンに、シムーンに魅入られた。
でも、それはシムーンにしかすがる術がなかったから。
そう、始めからシムーンが存在していなかったなら、もし存在していたとしても、どう使われるか解明されていなかったら、どうなっていた。

宮守

遥か昔、現在よりも優れた文明があり、シムーンは、その頃から存在したと伝えられています。
しかし、度重なる戦争を越え、大地は荒廃してしまった。
既にどの地にも利は無く、戦争を行う理由も消えたのです。


飢えた民衆にシムーンは不要となり、その使用も忘れ去られました。
人々は、このまま自然に滅びゆくのを待つしかなかった。


そこに空が割れ、違う世界からシムーンが飛んで来たと。
そのシムーンは、神の申し子を乗せていた。
彼女たちは、彼女たちは自らを、“シムーン・シヴュラ”と名乗ったそうです。
そして、翠玉のリ・マージョンを伝えた。
そう、違う世界、いや、違う時代へとその身を運ぶ、究極のリ・マージョン
神が我々に与えたもうた、偉大なる“もしも”なのです。


もしも、あの時代にこれから戦争が起こる事を伝えていたら。

ドミヌーラ

もしも、シムーンが存在しなかったなら、私も存在しなかったかもしれない。

宮守

もしもあの時代、シムーンの必要性を説く事が出来たなら。

ドミヌーラ

でも、私が存在しなければ、この苦しみも存在しなかった。

宮守

困窮を極めた今の時代が変わるかもしれない。
時空を越え、いつかの時代に、“もしも”を手渡しする、それこそがシムーンと、そして、翠玉のリ・マージョンの役割なのです。


コール・デクストラは、翠玉のリ・マージョンを完成させる為に編制されたコール。
あなた達のよく知る人物も、以前は属していた。
シヴュラ・ドミヌーラ、彼女は、コール・デクストラ最後の生き残りです。

ドミヌーラ

そう、私は知ってしまった。
全ては、私から始まっていた事を知ってしまった。

宮守

シヴュラ・ドミヌーラは恐らく、翠玉のリ・マージョンを完成させたのでしょう。
どこかの時代で生きている。


翠玉のリ・マージョンは、神が与えたもうた唯一の希望。
未来へ行くのか、過去へ飛ぶのか、それは計りかねますが、しかし、神がそれを望んでいたからこそ、シムーンが存在する。
ならば、神は間違える事はないでしょう。
きっと、正しい時代の扉を開いて下さるに違いない。


シヴュラ・ネヴィリル、シヴュラ・アーエル、あなた達に是非とも託したいのです。
翠玉のリ・マージョンを。

ドミヌーラと宮守のセリフが交互に入るもんだから、ちと混乱したけども、軽く整理。

  • 「遥か昔、現在よりも優れた文明」の時代と、「大地が荒廃し、人々がこのまま自然に滅びゆくのを待つしかなかった」時代と、現代と、大きく3つの時代。
  • 「滅びゆく時代」にドミヌーラとリモネが現れて、翠玉のリ・マージョンを伝えた。
    • 「滅びゆく時代」には、まだ男女両方の子供が生まれる。(画面を見る限り、普通に男の子が存在する)
    • ただし、滅びゆく流れをどうやって回避したかは語られていない。(これが現代の女性国家確立に繋がる?)
  • もしも、翠玉のリ・マージョンで「滅びゆく時代」へ行き、これから起こる戦争を伝え、シムーンの必要性を説く事が出来たら、困窮を極めた今の時代が変わるかもしれない。
    • これが目的? そして誰にとって目的? 司兵院、宮守、オナシア、宮国全体。
    • この一連の“もしも”は、シムーンと翠玉のリ・マージョンの役割を説明する為の、単なる例え話、にも聞こえる。
      • 翠玉のリ・マージョンとは、翠玉を使って時代を越え、越えた先の時代の人々に翠玉を伝える事で、その時代の人々に“もしも”という希望を与える事自体が役割。
      • 現在の宮国も、こういう“もしも”に、すがっている状態だ、と。
    • 「もしもあの時代」というセリフが2回出てくるが、文脈からは「滅びゆく時代」の事だと取れる。 しかし「遥か昔、現在よりも優れた文明の時代」の方も完全には捨てきれない。
  • シムーンの必要性を説く」の意味
    • これから起こる戦争を伝え、シムーンの、戦争の道具としての必要性を説く。(戦力的に宮国の一人勝ちにして、戦争を早く終わらせる?)
    • これから起こる戦争を伝え、シムーンの、“もしも”という希望、神の乗機としての必要性を説く。(戦争回避の方向?)
  • ドミヌーラの苦悩
    • ドミヌーラは、言い伝えにある“神の申し子”が自分である事を知ってしまった。(メッシスでの件の時に?)
    • 「滅びゆく時代」に来たが、歴史に反し、シムーンの使い方も、リ・マージョンも、何も伝えず、シムーンは存在しなかった事にしようとしている。
  • 宮守(とオナシア)も、アーエルとネヴィリルに、翠玉のリ・マージョンで何かをやらせようとしている。


その他。

  • ドミヌーラの見た、誰かの、何かの記憶。
  • 「遥か昔、現在よりも優れた文明」の時代には、シムーンはどのように(どういう目的で)使われていたのか。
    • 「度重なる戦争」にシムーンが使われたかどうかは語られていない。
  • ドミヌーラが歴史を変えようとした場合の、タイムパラドックスの問題。
  • ドミヌーラの知っている歴史の上で、翠玉のリ・マージョンを伝えたのがドミヌーラ自身だった、という、ニワトリと卵の問題。