ケモノヅメ #09

この作品の作風とかこれまでの流れを考えたら、車に乗せてくれる老夫婦、なんてのは怪しさ大爆発な訳で、で、そこから、お茶出してくれたり、警官から匿ってくれたり、身の上話をしたり、といった過程を経て、俊彦(と視聴者)が段々と警戒心を解いていく流れが、なかなか面白かった。 テキストも、老夫婦役の松岡文雄と京田尚子のセリフ回しも、凄く自然で良かったし、特にダンナ(松岡文雄)の喋りはリズムが良くて、聴き心地が良かった。 「俺はね、発電の仕事していたんだ。図面引いたりじゃないよ」の辺りとか。
あとは、塩湖のシーンが映像的にえらい美しく、その真っ青な世界、夕暮れの海のセピアっぽい世界、クライマックスの真っ赤な世界、てな移り変わりが対比としても良かったし、もひとつ細かいんだけど車のガラスが、枠のすぐ内側じゃなくて、枠から少し離れたトコが、枠のラインに沿って汚れてる感じが、妙にリアルで面白かった。(確かに古いバンの窓ガラスってああいう汚れ方してる)