ハチミツとクローバーII #07

とても面白かった。 30分の中で、根岸という人物の、強烈な、森田父への羨望や嫉妬、そしてその顛末を描いて、更に同じ構図で森田兄の、森田さんに対する感情も描き、歪んだ情熱の森田兄、そういうの全部理解し、父の意に反してる事も分かった上で、兄の為に協力する森田さん、ふたりの温度差の理由も分かって、ラスト、主要メンバーによる今後の不穏な展開を示唆するモノローグが入り、更にラストカット、もう一つ全く別の、不安を煽るカットが入って幕、と。
なんかもう完璧、非常に見応えのある30分でした。


根岸というキャラクターの積み上げ方、

君のお父さんの小さい頃にそっくりだ。
意地汚くて奔放で、東に病気で休みの子のクラスがあれば、飛んでいって、
その子の給食も食い、
北に喧嘩があれば、これもまた飛んでいって騒ぎを大きくし、もうホント、好き放題だったよこんちくしょう、フフフ…、フフフ…

セリフの内容自体も面白いんだけども、「飛んでいって」のあとの間の取り方がまた絶妙で、更にこの面白エピソードを最初に持ってきてクッションにする事で、そのあとの、同じトーンで淡々と語られる根岸のモノローグの数々が生きてたなと。

司、見せてくれ。
お前は俺と同じ人間なのか?
もしそうでないのなら、端から違う世界の人間だったと思い知らせて、粉々に打ち砕いて、俺を泥に返して欲しい。
見せてくれ、司。 お前の光が本物なのか。 何があっても色褪せないのか。

この辺りの言い回しが特に良かった。


絵コンテ: 大畑清隆、演出: 高島大輔
余談だけども同じく大畑清隆コンテだった よみがえる空 第11話も、同じように、淡々とした進行と身を切られるような描写が印象的だった。